会社員からフリーランスへ(3/3)
皆さんの中には、今は会社員としてIT関連の仕事についているが、”フリーランスとして活動に興味がある!”という方もおられるだろう。特に向上心の高い方にとっては興味があるのではないだろうか。そういった方向けに、私自身のフリーランスの経験をいろいろと書いていこうと思う。
会社員からフリーランスになるためにはある程度心構えが必要なので、参考にしていただければと思う。
会社員とフリーランスとの違い
まずはフリーランス(個人事業主)の特徴を簡単に述べる。会社員との主な違いはいろいろあると思うが、以下の3点が。
① 仕事をみつける! → 関連記事リンク
② 仕事をしてお金をいただく! → 関連記事リンク
③ 税金を納める! → 今回はコレ
今回はフリーランスの皆さんが大嫌いな納税のお話。
税金を納める!
会社員の場合は、会社が給与から納めるべき税金を天引きしてくれるので、納税については特に気にする必要はない。
一方、フリーランスでは自身で納税しなければならない。
納めるべき税金は以下の通り。
| 種類 | 概要 | 管轄 | 納付期日 | 納税額 |
| 所得税 | 個人の所得(事業、給与、不動産、配当など)に課される税金 | 国税庁(所轄:税務署) | 翌年3月15日(確定申告)、 予定納税がある場合は7月・11月 |
所得によって異なる |
| 消費税 | 商品やサービスの取引に課税され、最終的に消費者が負担する税金 | 国税庁(所轄:税務署) | 翌年3月31日(原則課税・簡易課税ともに) | 業種によって異なる(簡易課税の場合) |
| 国民年金 | 老齢・障害・遺族年金のための公的年金制度。自営業や無職の人が対象 | 厚生労働省(実務:日本年金機構) | 原則:毎月末(当月分)/まとめ払い(前納)も可能 | 17000円程度 |
| 国民健康保険 | 医療保険制度。自営業者・無職者などが加入。所得や世帯人数で保険料決定 | 各市区町村(地方自治体) | 原則:年12回(月払い) 市町村により異なる |
最大で91000円 |
| 住民税 | 都道府県民税+市区町村民税。前年所得に基づき計算 | 各市区町村(都道府県と連携) | 原則:6月から翌年5月までの年4回(6月・8月・10月・翌年1月) | 所得の10%程度 |
| 個人事業税 | 事業所得のある個人に課される地方税。法定業種のみが対象(例:IT、デザインなど) | 都道府県(税事務所) | 原則:年2回(8月・11月) | 所得の3~5%程度?詳細不明 |
大体、こんなものだと思う。
これ以降は、それぞれの税金の話をざっくりとやっていく。
所得税(確定申告)
まずは、確定申告の話。
確定申告とは、簡単にいうと、その年の所得税額を申告して所得税の納付を行うことだ。
所得税とは収入(報酬額)から支出(経費)を引いた儲け(所得)にかけられる税金のことだ(所得とは種類がいろいろあって、ここでは”事業所得”を前提にしている)。
会社員の場合は、基本給や時間外手当、交通費などの基本給や手当が収入となり、厚生年金や雇用保険などの控除部分を引いた額に対して所得税がかかる。
所得税額は、1/1~12/31までの収支、保有資産、負債などの実態を精査する必要がある。要は決算である。
決算では、上で述べたように収入(報酬額)から支出(経費)を引いた儲け(所得)を算出することになる。
所得税の計算は簡単にいうと、この所得に対してその年に支払った国民健康保険やふるさと納税などの寄付金などの控除額を差し引いた額に対して税率をかけると算出できる。税率についてはここでは省略する。
確定申告書にこれらを記入し、決算資料(損益計算書、貸借対照表など)一式と合わせて税務署に提出し、所得税を納税すれば確定申告は終わりである。なお、確定申告はネット(e-taxで検索してみて)で申告書作成から納税まですべてできる。ただ、決算に必要な仕訳や月別の売上、経費の算出などは会計ソフトなどを利用して行う必要がある(たぶん)。
確定申告の大まかな流れは以下の通り。
- 売上、経費、預金の出し入れなんかの日々活動の仕訳(しわけ)をする。(複式簿記で。できれば毎月)
- 領収書や支払調書をかき集める(1.のエビデンス)
- 月別の売上と経費を出す
- 損益決算書を作成する
- 貸借対照表を作成する
- 確定申告書を作成する
- 申告&納税する
なお、3~5は会計ソフトが自動的に作成してくれる。ただし、1が正確に実施できていなければ貸借対照表の預金の残高と実際の残高が合っていなかったりする。正直、1の仕訳については、初心者にとっては少し勉強が必要かもしれない。
国民健康保険と住民税
国民健康保険と住民税の話。
会社を退職すると、国民健康保険と国民年金の切替えの手続きに行く必要がある。近くの市役所で手続きをしよう。住民税の切り替え手続きは必要なかった気がする(納付書が届く)。
確定申告の”所得”に対して(役所で)国民健康保険や住民税の算出が行われる。(それぞれの税金には税率というものがあり”所得”に対してこれらの税率が決まる。)
確定申告は3~4月で、国民健康保険や住民税は6月に納付書が届く。
国民年金
国民年金の話。
会社員時代は厚生年金だったが、フリーランスになると国民年金となる。厚生年金は、会社員の給与が高いと随分な額を天引きされるが、国民年金は17000円程度だ。その分、年金額が少なくなるので、共済や確定拠出年金など年金額の上乗せについて調べて、必要に応じて各自で加入する必要がある。
個人事業税
個人事業税の話。
これは、特定の事業に対して発生する税である。納付書は8月頃に送付される模様。個人事業の開業届を出す際に、事業の種類を記入する項目に何を記入したかによって、業種が該当すれば納付書が送られてくる。ちなみに筆者は個人事業税の法定業種に該当しない。
税額=所得額ー個人事業主控除(290万)×税率(サービス業=5%)
所得500万円の場合: 500万-290万×0.05=105,000円)
8月頃に納付書が届く(らしい)
消費税
消費税の話。
受け取った報酬には消費税が上乗せされているので、それの一部を税金として納める必要がある。これは、確定申告と同じタイミングで納める。以前は、開業2年目までか売上が1000万以下だと免税事業者となり納めなくてもよかった。ただ、インボイス制度が開始されたことにより消費税を納税する事業者(課税事業者)となった個人事業主も多いと思う。
消費税の算出方法は、原則課税方式と簡易課税方式という2種類の計算方法があり、どちらを選ぶかによって納税額が異なる。
原則課税方式とは、売上(報酬)でいただいた消費税額から経費の消費税額を引いた額とする計算方式で、いちいちすべての経費の消費税を足さないといけないのでめんどくさい(消費税の計算は会計ソフトが自動的にやってくれるが、仕訳の際に経費についても税率がいろいろ分かれるようなので、正直なところ筆者は仕訳の仕方からよくわからない・・・)。
一方、簡易課税方式は受け取った消費税の総額に対して、みなし税率というものが業種によって設定されているので、その税率を適用すれば納税額を簡単に計算できる。
例えば月額報酬50万円の場合、消費税は10%なので5万円だ。これを12か月貰ったとしたら、60万円受け取ったことになる。私はサービス業なので60万円×0.5(サービス業=5割)=30万円を納めることになる。同様に、月額報酬100万円の場合は60万円を納めることになる。
なお、年間の売上1000万円以下や開業2年目までは本来免税事業者なのだが、インボイス登録により課税事業者となった場合は2割特例が適用でき納める額は2割で良い。つまり、月額報酬50万の場合で12か月間税込み報酬をいただいた場合は、60万円×0.2=12万円が消費税納税額となる。(詳細は国税庁のHP(2割特例)を参照)
消費税についても、確定申告と同様に申告書を提出し、納税まですれば完了である。
あとがき
確定申告と消費税は申告制で、自主的に決算、申告書作成、納税を行う必要がある。
それ以外の税は、基本的に納付書が送られてくる。
確定申告については、自身で行う場合には少々経理の勉強が必要である。筆者は書籍を何冊か買ったり、改正ソフトのサイトを参照したりして調べた。ただ、これは社内の業務であり、本業のスキルが向上するわけではないし、売上の増加にもつながらない間接的な業務である。なので、費用をかけて税理士に任せる方法をとってもよいだろう。本業に集中した方が良い。筆者は自身で”節税をしてみたい”と思ったので自身で申告している。なんとなく経営者っぽいので。
フリーランスになると、本業の仕事だけではなく決算や納税についても活動の一部となるので、会社員時代と違っていろいろとやることは多い。ただ、実際に納税額を算出して税金を納めるという行為は、節税について詳しく調べようとするし、将来(老後)を見越した資産形成なども無関心ではいられなくなるだろう(例えば、NISAやidecoとかね)。それに伴って、政治にもある程度関心をもちやすくなる。
ま、要するに、得られるものも多い。

コメント